角川ホールディングス会長の角川歴彦氏の著作「クラウド時代と<クール革命>」が3月10日発売に先駆けて3月10日まで期間限定で無料全文公開されましたので早速立ち読みしてみました。
昨年からあらゆるところで「クラウド」の大合唱なので、また畑違いの人が売り文句で使っているだけかと思いきや、片方善治先生が監修されており技術面ではほぼ正確かつ最新の情報になっています。興味深いのは、メディア/コンテンツ業界の経営者としての現状の認識が非常に危機感が高い事です。
改めて気づかされましたが、メディアはグーテンベルグから始まり、TV、インターネットと技術の発明に依存してきていたのにも関わらず、常に新しい技術に関しては反発か無視しかしてこなかった歴史があります。AppleがiPhone/iPodとiTunes Storeで音楽流通を破壊し、今度はApple/iPad, Amazon/Kindleなどが書籍流通を破壊しようとしている今、「ユーチューブはコミケ」ではないかと直感し、メディア/コンテンツ業界の経営者として積極的に取り込んでいこうとする角川氏の考えには共感しました。
そして角川氏は2014年には21世紀の産業革命である「クラウド革命」が実現すると予想、Amazon, Apple, Google, Microsoftなどが1社か2社の勝者の座を巡ってサバイバル競争が始まっているとしています。また、「ただ重要な変化の本質は大衆の情報機器を使い回す能力の向上ではなく、大衆自身の意識の変化だ。もはや大衆はリテラシーを問われるだけの一方的な消費者で はない。積極的な参加者であり、コンテンツの創造者であり、インフラ構成の一翼を担うケースさえある。この「参加する大衆」の登場がIT情報産業だけでな く、あらゆるビジネスや社会全体に大きなインパクトを与えているのだ。」と続けます。
技術のガラパゴス現象と文化の独自性についての解釈の混乱、日本と米国の多様性の許容度の違いなどについては若干違和感はありましたが、クラウド・コンピューティングは次世代情報インフラであり、IT投資が産業界にとって大きくなりすぎて限界に来ている事や、消費者や企業のITに対する購買行動が変わりつつあるという点については、私も賛同します。
この点についてはまた改めて掘り下げたいと思いますが、「クラウド」現象の実態と社会的インパクトを知りたい方には一読をお勧めします。

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